有料動画配信サービスなるものに登録してみたのです。お試し期間をフルに活用してみようかと。一応、難癖ばかりつけているので、サービス名は記しません。ご了承くださいm(__)m

 珍しく結論から書きますけど、しっかりとした目的がある(観たかった映画や番組が配信されているetc)ならまだしも、メディアとして寄りかかれるほどの成熟度には至っていないということを感じました。つまり、まだ日々の生活の中に必需品として位置付けるほどではないという印象を受けたのです。はっきり言って、余程のテレビっ子でない限り、月々いくらと支払うのは割に合わないでしょう。

 以下、その理由を並べてみたいと思います。

・何でもかんでも揃っているわけではない

 某巨大ネットショップと違い、作品数は限られています。DVDを買ったりレンタルしたりするよりはお得と思いがちですが、自分の観たいものが無ければ、諦めるか配信されるまでお金を払い続けるしかないというのは、サービスの姿として根本的に間違っている気がします。「あるものから選ぶ」のではなく「観たいものがリクエストできて視聴可能」だったなら、月々3000円でも払いますし、十分に元は採れると思いますが。

・画質が回線速度に左右される

 有線接続なら安定して高画質で視聴できますが、Wi-Fiになるとやはり高画質で鑑賞し続けることができない場面にも遭遇します。スマートフォン等の小さい画面で観るならまだしも、テレビに繋いで映すとなるとこのジャギーは我慢できないかも。多くのサービスが「途切れず視聴できるよう自動で解像度を調整している」らしく、画質にこだわりがある人には完全に不向きと言えます(バッファ後に再生可能な仕様をもったサービスもあるのでじっくり待てる人はぜひどうぞ)。

・完全定額制コースばかりではない

 一部のサービスでは従量制課金が敷かれており、有料会員になっていても観たい番組に別途課金する必要があったりといった腹黒いところも見られます。それならば基本無料のところに登録して無料のものだけを観ていればいいような気もしますが、人間というのは欲深い生き物でして、目の前にあって手が届きそうなら伸ばしてしまうんですね。従量制が恐ろしいのはパソコン通信の時代にイヤというほど経験しているので、ぜひ遠慮させていただきたいです。

・観るジャンルが多ければ複数登録する必要がある

 配信本数に限度があるためなのか、どのサービスも特色を前面に打ち出していて、それぞれの得意ジャンルには非常に偏りが見られます。ですから、「洋画も邦画も観たい」「テレビドラマも観たい」「アニメも観たい」「音楽番組も観たい」などという多趣味さんは、おそらく1つのサービスだけだと完全に敗北感満載です。そして本数が多いサービスほど画質が荒くなっていく傾向があります。一長一短なのですよ。

 まぁそんな感じで、そろそろ有料会員に登録してもいい頃合いかなと考えていろいろと回ってはみたものの、どれもこれも課金する価値はあるのかと悩んでしまうものばかりでした。どうも自分の財布の紐がキツイだけではなさそうですし、何より自称浪費家なのでかなり弛めなはずですから(^-^;、単に機が熟していないだけかと思います。やはり市場競争が大切ですね。

 でも、実際にお試し登録をしないとこれらのことは分かりませんでした。ネットのレビューを読むだけでは自分の観たい作品があるかなんて分かりませんし。そんな意味からも、このお試し期間は非常に有益であると感じます。

 車だって試乗があり、食品だって試食ができるじゃないですか。だったら電脳機器も2週間くらい無料で使わせてくれてもいいのにと思いますね。そしたら「使える」「使えない」の判断ができて、最終的に「良い物しか売れない」ようになります。使えないモノは淘汰されるのです。試用できない=良くないモノを掴まされる可能性があるという事実は身を持って体験しているので、このシステムの採用を切に願っています。