撮影環境としてはまったく同じで、深夜、光源がLED球3つのみという状況にも関わらず、ここまでの差が出るのはいったいどうしてなんでしょう。スペックだけを見ると他のHUAWEIの端末と同じ色合いの写真になっておかしくないはずなのに、あまり納得がいかない結果なんですよ…。

 では、デフォルトで撮影したその画像をご覧いただきましょうか。

P9 lite(3120*4160)
p9l_3120x4160

 まずは比較のために、GR5Ascend Mate 7で撮ったものも参照していただければと思います。この3機種ならばMate 7の写真が一番忠実な写りという気がしますねぇ。GR5はコントラストに寄せたせいなのか白飛びが目立ち、P9 liteは光源不足下での露光調整が強めなのか補正がかかった印象は否めません。
 たぶん、マニュアルモードでいろいろといじれば、画素数に応じた写りになるかとは思うのですけど、夜間のデフォルトでの撮影はそこまで期待すべきではないという結果かもしれませんね。

 まず、デスク下の壁部分の暗さが表現できていません。あえて白黒基調の風景を選んでいるので、このポイントをクリアできないのは痛いですよ。ザラつき度合いはもちろん、GR5で見られた「暗いなりにも色合いは頑張っている」という部分が見当たらず、全体的に赤みがかっているのは好みが分かれるところでしょう。これはNEXUS 6Pと似た傾向がありまして、さすがに精彩さでは勝てませんがもしかしたらエンジンは共用パーツが多いのかもとか思ってみたりします。
 椅子の背面やパソコンのフロントパネルの再現度もまだまだで、改善の余地は残していますね。モニタ内に写り込んだエアコンやカーテンなどもあまり良好とは言えず、GR5以上に「暗い場所での撮影は苦手」と評するしかないです。

 とは言うものの、そのぶん壁上部の色やぬめり具合は現物に近く、光が当たっている箇所なら実用に耐え得るものであることが分かります。原色が多い風景なら再現度は高まるのではないかと期待してもいいかもしれません。

 もちろん、決して「ダメ」というレベルではなく、むしろ3万円以下の端末にここまでのカメラ性能をつぎ込んだことには拍手を送るべきだと思いますよ。撮影時のモードやシーンもGR5と同等の機能が備わってますし、レタッチせずともセピア調の写真が撮れるといった細かいニーズにも対応しているのは嬉しいところ。
 尤も、カメラ性能を求めるならライカ監修のレンズを搭載したP9という選択肢も同時に提示されているわけですから、あくまでこちらは一般向けという捉え方になるんでしょう。それならば十分に合格点です。赤っぽい写りが好きじゃないなら調整すればいいだけの話ですよ。

 端末自体はSoCのバリエが豊富じゃない以上そこまで多数試したいとも思わないのですが、カメラの検証は別です。可能な限り比べてみたいですね~。そのためだけに購入する財力も無いので(^-^;、メーカーさんはブロガーにレビュー用端末を配布するサービスを展開したらいいと思いますw。