スマートフォンやなんかの時刻はだいたい正確なわけですけど、これは電波時計のような仕組みとはまた別で、3G回線に乗っている時刻情報に同期させているらしいです。タイムゾーンやなんかを初期設定時に指定しているはずですので、それが関連しているというわけですね。Androidだと、「設定」から最下部の「システム」内にある「日付と時刻」の中の「日付と時刻の自動設定」がオンになっていれば勝手に補正してくれているんですね。

 Windowsパソコン内部の時刻も、自動で正確に同期するように設定されているはずです。しかしこれは「ネットに繋がっていること」が前提なんですね。ネットワークから切り離されたパソコンでは、どんどんズレていきます。「久々にパソコンを起動したら時刻がかなりズレていた」なんて現象に遭遇したことがある方も多いでしょう。
 これはBIOSが持つ時計機能に依存しているからで、およそ正確とは言えない内部の時計によって制御されているのが原因です。どのくらいダメダメかと言うと、安いマザーボードなら1ヶ月で15分ズレるくらいのレベルですよ。さらに、あまりにも正確な時刻から離れてしまうと自動同期がうまく働かなくなります。インターネット時刻サーバにエラーを返されてしまうんですね。見た目にはそれが分からないので、手動で調整したという経験は誰しも有しているのではないでしょうか。

 この同期タイミングはデフォルトで1週間に1度となっています。設定上は「604800秒に1回」ですね。この間隔を短くするには、レジストリを変更する必要があります。

(Windows7の場合)

スタートメニュー→「プログラムとファイルの検索」ボックス内に「regedit」と入力・実行します。

HKEY_LOCAL_MACHINE
 SYSTEM
  CurrentControlSet
   Services
    W32Time
     TimeProviders
      NtpClient 

       まで階層を降ります。

右にある「SpecialPollInterval」をダブルクリックします。

「値のデータ」を修正します。24時間間隔の更新にしたいなら、10進数で"86400"に、16進数なら"15180"に書き換えます。時間→秒数の計算法については書かなくていいですよね(^-^;。

再起動後に設定が有効になります。

 これをすることで、前回の更新から24時間が経過していると自動で補正がかかるようになります。「最近やたらパソコンの時刻がズレてるんだよなぁ…」という方はぜひお試しください。

 それと、NTPについても一応書いておきます。
 NTP(Network Time Protocol)は時刻を同期させるためのTCP/IPアプリの一つで、原子時計をもとに定められたUTCに接続して正確な時刻を得ています。まぁ詳しくはWikiでもご参照ください。

 Windowsのデフォルト設定は「time.windows.com」になっていると思いますが、その昔はここが非常に混雑していて満足に更新できなかったんですよね。なので、これを最安定だった「ntp.nict.jp」に変更するというのが、上の間隔調整と並んで環境構築に欠かせない設定の一つでありました。
 まぁ、今はtime.windows.comも問題なく繋がりますので特に気にする必要はありませんけど…。

 蛇足ですけど、最近の節電ブームの一貫としてパソコンの大もとの電源を切っていたりコンセントを抜いていたりする場合、時計はとんでもなく大きくズレる(起動するとえらく昔の日付になっている)ことがあります。その際はパソコン内部の電池が消耗している可能性が大ですね。
 BIOSの内容を保持するために内蔵されているボタン電池は、業者に交換を依頼すると法外な価格を請求されます。誰でも交換できる仕組みですし、電池そのものの価格は300円前後ですから自分でやりましょう。というか、コンセントが差さっていれば自然にマザーボードには給電されるために、この電池が消耗することはありません。節電対策の弊害と言ってもいいかもしれませんよ。

 参考までに、今のパソコンならずっとコンセントに繋がっていても1W~2W程度しか電力を使いません。待機電力というやつです。約3週間繋ぎっぱなしにしたところで1000W。ドライヤーを1時間使うのと同じ電力消費です。
 ということで、業者に交換を頼んでしまうとその電気代以上に貪られてしまうので、どちらが良いかは言わずもがなですよね。

 パソコンの時刻が不正確で良いことは一つも無いので、ぜひご自分のパソコンの設定を見直してみてはいかがでしょうか。